2008年7月20日日曜日

「崖の上のポニョ」

嘘臭いし、ネタバレもるし、あくまでも個人の意見なので興味ない方はスルーしてください。


今日見た映画は、映画館で見た映画の中で、いや今まで観賞した中で、「あぁこの人は本当に狂ってるんだなぁ」と初めて確信した映画でした。
いい意味か悪い意味か、自分でもわかりませんが、上映開始数分で「この人は本当に天才だなぁ」と思い、それが徐々に気持ち悪さに繋がって、鳥肌が全身を占領して、吐き気がして、目が痛くなって、泣きそうになりました。

信じられないかも知れませんが、その映画は「ポニョ」です。
純粋すぎるほど純粋な演出に天才にしか思いつかない映像表現が被さって、最初数分は圧倒されていました。凄すぎて感動していると、今度はその素晴しい映像の中にチラッと気持ち悪い描写が入ってきて、あれ、なんか変だぞ、と思うと、あっと言う間に身体中鳥肌が立って、でも目はスクリーンから離れなくて、頭が可笑しくなりそうな感じがして、映画を見るというより、飲み込まれていました。
気持ち悪い描写というのは主にポニョの動き?変身?なのですが、これがぼくの気持ち悪いつぼにどんぴしゃはまってしまい、見たくないけどでもつぼなので見ていたい…よくわからない状況に陥ってしまい混乱しました。

後半少し落ち着いてきて、普通のジブリにやっと戻ってくれた…と思ったのですが、やっぱりただでは終わりませんでした。
真っ暗なトンネルをソウスケとポニョが歩くシーンがあるのですが、「あぁこうなるんだろうなぁ…」と分かって覚悟していたにも関わらず、案の定予想通りの絵になり、また吐き気がして、悪夢になって出てきそうなくらいトラウマな映像で、もうやめてくれと思いながらも見るしかない、といった感じでした。
映画の八割は呆然とただ見つめるしか出来ない状態で、ずっと頭の中で「宮崎駿は天才で、でも天才だからこそ、これだけ純粋なものを描いても狂気が付きまとっていて、時々その狂気が顔を見せるんだ…」と繰り返し繰り返しつぶやいていました。
無論ポニョ以外にも気持ち悪い箇所はいくつかあったのですが、ポニョというキャラクターがずば抜けて純粋なために、その気持ち悪さ、というかもう狂気、が目立っていました。
後半少し勢いは落ちたけど、そんなことがどうでもよくなるくらい、リンチ先生より悪夢な映画でした。

上映後、運転を後輩に頼んだぐらい魂がどっかに行ってしまっていました。

それらを含め、傑作には間違いありません。
でも子供は泣くと思います。
この映画はいい映画だ、とか言ってるやつは信用できません。
トラウマです。

そこまで感動(いろんな意味で)させてくれた、ということで、今年の一位は間違いないと思います。
あくまでも個人の意見ですが。

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