2013年7月21日日曜日

「風立ちぬ」

劇場:新宿ピカデリー

感嘆と畏怖と恐怖の「崖の上のポニョ」から数年。
期待したかいがありました。

「崖の上のポニョ」は、子供向けだからいんだよこまけぇ事は!用は純粋な愛なんだよ!
という感じで全てがぶっとんでいて、なんじゃこりゃああ!という感じでしたが、今回は純粋な愛と夢を大人も解るストーリーで順序立てて魅せてくれました。

そして随所に自然への愛に満ち溢れていて、アニメーションの表現としてここまでこだわれるのはとてつもない精神力だと思う。

もうどのシーンを思い出せばいいのか頭が追いつかないですが、とりあえず結婚式のシーンは本当に美しかった。
雪の中廊下を歩く彼女、そして愛おしい二人のキャラクターが盛り上げるあのシーンは涙無しでは見れなかった。

そして良く聞く「宮さんはサービス精神が足りない」という言葉を、いとも簡単に覆してしまったと思った。

続く。

続き。

なんて言うか、今回は全てが丁寧だった。
少年期の度々夢に入って行くシーンなんて、こんな堂々とやっちゃうのか!と感動した。

唯一この映画で自分に考える余地があったことと言えば、ラストの飛んで行く飛行機だろうか。
少年が夢で描いた飛行機も、青年になって追い求めていた飛行機も、全て不完全で墜落していった。
でもラストに主人公が見た夢では「紅の豚」のワンシーンみたいに他の飛行機の群れに消えていってしまった。

映画のラストとしては完璧なんだけど、主人公の夢の終わりでもあるのかと。
妻を亡くし、少年からの夢を一区切りさせてしまった主人公のこれからを考えると思う事も多々。

いや、いいのか映画だから。
その先の心配を毎度させてしまう宮崎映画は、やっぱり人間を描くのが上手いと言う事なのでしょうか。

兎に角もう一回観る。

追記:
そういや、台詞の先が読める部分が多々。
この台詞の後はこの台詞だろっていう。
それが見事に当てはまっていったので、自分の台詞造りの根源にはジブリ映画の影響も少なからずあるのかもしれない。
それかただよく見ているからか。
それかその両方か。

0 件のコメント:

コメントを投稿