2014年12月30日火曜日

2014 劇場鑑賞作品ベスト5

今年も終わりという事で、総括。

今年はホドロフスキー、アンゲロプロス、トリアーという巨匠達の映画が上映され、それをある程度ちゃんと観に行けた。

残念ながら小林啓一監督の新作は前作を越える事は無かったけど。
「DUNE」を観ていないことだけが唯一の心残り。



1.「メビウス」

台詞無し、劇中に出てくる単語は基本英語という、少しでも映画を純粋に楽しむべく作られた映画。
英語もなかったらもっと良かったかもしれない。
この映画を筆頭に今の韓国映画がATGだとして、十年後に「日常に小さな幸せを見つけよう♪」とか言い出さない事を切に願う。
ストーリーテリングの素晴らしさも然る事ながら、あのお母様の表情が観れただけでおなかいっぱいでございます。

2.「エレニの帰郷」

アンゲロプロスの映画をまさか劇場で観るとは思わなかった。
わたくしの煩悩では到底理解しきれていませんが、それでも1シーン1シーンの美しさはまだ脳裏に焼き付いている。
地下鉄のダンスシーンはまさにイメージとしての”映画”で、まるで「カサブランカ」を観ているようだった!
生き返ってくれ!

3.「ゴジラ」

ゴゼィーラー!
漫画みたいに口をあんぐり開けて鑑賞したのは初めてかもしれない。
敵の首を片手に勝利の雄叫びを上げるゴゼィーラーの姿は最高だった。
2も期待。

4.「ウルフ・オブ・ウォールストリート」

劇場は一回、レンタルは数えきれないくらい今年一番繰り返し見た映画。
70のおじいちゃんが撮ったとは思えないくらいハイテンションで低俗でユーモアに溢れていた。
結局映画界は天才か不良かが生き残るな…。


5.「ニンフォマニアックVo.1 , Vo.2」

トリアーの新作。
どんどんキャッチーになっていくトリアー。
あのオチはトリアーならやらないだろという期待を見事に裏切ってくれたとんでもないラストだった。
このままジョン・ウォーターズ方向にいってしまうのか!?


番外編

「2001年宇宙の旅」
初めて劇場で観た!感無量!

「リアリティのダンス」
正直記憶に無い!もっかい観ねば!

「LIFE!」(劇場未鑑賞)
劇場で観たかった!デヴィッド・ボウイが流れる瞬間が最高!



来年はもっと映画を観れますように。

2014年12月21日日曜日

「グランド・ブダベスト・ホテル」

苦手なウェス・アンダーソン映画。
日本でいう三谷幸喜な印象があって、有名人ばんばん使ってコメディやるぜ!みたいな。
が、今までで一番楽しめた気がする。
演出をいかに楽しむかがでかそう。

なんか昔の文豪が元ネタ、という話を聞いたけんだけど「パンズ・ラビリンス」同様そこを全く知らなかったので、背景は全くわからなかった。

スキーのシーンがとても印象に残っている。
久々にエドワード・ノートンを見れて安心した。


2014年12月17日水曜日

「メビウス」

ついに見たよメビウス。
キム・ギドクと言えば、中学の時毎月隅から隅まで読んでいた映画雑誌”プレミア”で「悪い男」が盛り上がっていて、いつか観なきゃと思いつつ結局一本も観れずにここまで来てしまっていた監督。
これが初キム・ギドクで良かったのかもしれない。

キャッチコピーは「不思議の国のペニス」!
描写はリアルめなんだけどとても寓話的で、恐らく主人公は父親のペニスなんだと思う。
物語の展開(ペニスの境遇)が、めちゃめちゃ面白く、というかもうこれしか無い!ってくらい完璧だった。
やってることは痛いんだけど、展開が気持ち良すぎてどんどんお父さんのペニスと気持ちが一体化してしまって笑顔になる!
ペニスにも心はあるんだ!自殺もするんだ!

演出は全てにおいて素晴らしかった。
ラース・フォン・トリアーといい、どうしてこんなにも物語を面白く魅せてくれる人は性に取り憑かれているのだろう。
日本でいうと「女囚さそり」シリーズを筆頭とするピンキーバイオレンス的な匂いがむんむんして、そんな映画をリアルタイムで劇場で観れる事に感動した。
夢の撮り方一つみてもキレっキレ。

後で知ったのですが、お母さんと浮気相手は一人二役だったらしい。
浮気相手の偽乳を見て、なんでこの映画に偽乳の女優使うんだとキレそうになったのですが、お母さんもまた偽乳だったのはそういう事だったのか。
二人とも偽乳だった時、この映画の言わんとすることが理解出来た気がしたのだけど幻想に終わってしまった。
もし偽乳に意図があって、この映画のために入れたのであれば、それこそ女優魂だなと。
多分違うんだろうけど。

ラストシーンについては、もっと身震いするような(衝撃的という意味ではない)エンディングを期待していたけど、自分の描く物語のラストと合致してしまって、”不感症フィルム”の目指すべき、そしてその先にあるものを探さなくちゃなあと考えさせられた。
寓話的、というのはこのラストにも深く繋がっている。

表面上は性に取り憑かれた人間の醜いドタバタエログロブラックコメディなんだけど、とても優しく、そして愛を感じられる映画。
今年不動の一位でございます。
もう一回くらい劇場で見たい。


2014年12月15日月曜日

「1900年 第一部」

イタリアの1900年代を描いた、ベルトルッチの大作。

地主と百姓という別々の階級で、同じ日に生まれた少年2人の物語。
相変わらずファシストとか共産主義とかいまいち良くわかっていないのですが、何となくイタリアの歴史が見えてきたのかもしれない。
見えていないのかもしれない。

カエルの冠はちょっと感動した。
針金に適当にぶっ刺して、ピクピク動いてる大量の蛙を誇らし気に頭に乗っける少年。
やろうと思うのが凄い。

ベルトルッチってパゾリーニの助監だったのか。
35歳でこれを撮っちゃうなんてすげーな。

流石ベルトッルチだけあって、ばんばんチンコ出てくる。
あの少年のチンコ大丈夫か!?
必見。


2014年12月14日日曜日

「フル・メタル・ジャケット」

自分はいままでこの映画をとんでもなく勘違いしていたようだ!

前半は狂気を遠巻きからみてコメディに仕立て、後半は狂気の中に入らせてジリジリと戦争の怖さを伝えて行く映画…じゃなかった!
少なくとも今回の鑑賞では。

前半はある程度同じ印象だけど、後半は確実に違う。
ただただアメリカという国家を馬鹿にした、下手したら前半以上にコメディじゃないだろうか。
しかも「博士の異常な愛情」以上に良質の。

後半部、特に戦闘シーンに入るくだりは悪意しか無い展開と演出。

道を間違える

一人特攻

撃たれる

後方、何も確認せず”強大な敵”がいるからと戦車を要求
その間もどこにいるのかわからない敵にただひたすら撃ちまくる。

待ってられるかともう一人特攻

撃たれる

敵が強すぎる!撤退しよう!

見捨てるのか!とまた一人特攻

しゃーなしでみんなで突撃

犯人女一人

殺してヤッホー!ここは地獄だぜ!


こいつら馬鹿なんじゃないかと。
アメリカが端から見れば滑稽に見える訓練で鍛え上げた殺戮マシーンたちは所詮なんの役にも立たず、最新兵器と物量と人海戦略でなんとか形にはなったものの、本当は死にかけた女性兵士一人殺すことで精一杯のただ汚い言葉を垂れ流すだけのおぼっちゃまだった。
そうやって後半部を観ると、彼らの行動の節々に笑いが込み上げてくる。
恐らく監督の「博士の異常な愛情」について言った「本人たちが必死になればなるほど、第三者から観る笑いがある」という言葉の完成系に近いものではないのかと。

それを国家レベルまで押し上げると、強大でバカな国アメリカ(洗脳された役に立たない兵士達)と、貧弱だが知恵をつかう国ベトナム(女性スナイパー)という構図になるんだと。

もちろん登場人物たちは狂っている。
でもそれは戦争のせいではなく、アメリカのせいで狂ってしまった。
つまり、”戦争の狂気”ではなく”アメリカの狂気”の映画だと思った。

これは多分、「プライベート・ライアン」を観た直後というのも大きいと思う。
戦争の悲惨さ、ドラマ性、命の価値…などをテーマにした映画(違う戦争、というのも大きいだろうが)と比べ、「フル・メタル・ジャケット」はもっと風刺的で現代に一石を投じる映画。

前半部ばかりがとりあげられる映画だけど、後半部の話はほとんど聞かない。
みんなどうみているんだろう。

「プライベート・ライアン」

安定の感動。
このカメラマン凄すぎる。

中盤でトム・ハンクスが「ここの基地潰してから行くよ」って言う所は毎回腹立つ。
いやおまえが任務の邪魔になる事するな言うてたやん。
挙げ句の果てに、「戦争を終わらす事が任務だ」っておい。
話破綻しとるがな。
御陰で味方死んじゃうし。

でも最後はぐっと来ちゃうのが悔しい!ビクンビクン!

2014年12月13日土曜日

「霧の中の風景」

今年は「エレニの帰郷」がとても印象に残る年だったので、年の総括もあり鑑賞。
大学の時に一度だけ観たけど、恥ずかしながら巨大な手はこの映画だったのかと鑑賞中にびっくりした。
因にあのシーンは逆再生なことはないよね。
水の滴りが目視できなかった。

雪のシーンは本当にすばらしい。
タルコフスキーといい、雪を格好よく決めてこその映画監督だな。

これを観ると「トウキョウソナタ」の会社員が歩いて行くシーンはやっぱりアンゲロプロスへのオマージュだと思う。

2014年12月1日月曜日

「インターステラー」

劇場:ピカデリー新宿

ノーランの新作!

第一の惑星に行くくらいまでは最高に面白かった。
「2001年〜」みたいなワープホール通って、くそでかい波が来て、二時間くらいで帰ってきたら24年経ってました!残念!みたいな展開は最高だった。
ただ、マットデイモン出てきたくらいから、どんどんチープなドラマが始まって萎えてしまった。
この映画にあんな下らん裏切りとかいるかと。
しかも、あんだけいろいろとサイエンスフィクションしてたのに、最後の惑星に行くときに「もうこの際相対性理論は置いとこう!」って!おい!ノーラン!やる気あんのか!

一つぐっときたのが、マシュー・マコノヒーの
「昔の人は空を見上げて憧れていたが、今は砂だらけの地上しか見てない」みたいな言葉。
これたぶん「時計仕掛けのオレンジ」の「2001年〜」をセルフパロディした台詞、
「みんな空ばかり見上げて、地上のことには目もくれない」のオマージュだと思う。

「インセプション」みたいな新作を期待する!

追記:
ホドロフスキー尊師の言っていた、集合体としての人間、という概念がよくわかるシーンがあった。
言わば、Aプランと、Bプランのうち、Bはそっちなんだなと。
個人ではなく、人間という生命体を繋いで行くこと。
あれか、人類補完計画か。
違うか。

2014年11月30日日曜日

「奇跡の海」

ラース・フォン・トリアーの作品でも、自分が見た中で最も若い時の作品。

素晴らしかった。
この人の脚本力は本当に凄いと思う。
旦那の救い方とか半端ない。
狂信すぎて引く。

これを観てしまったので、「ニンフォマニアック」を今年のベストに入れたくなくなった。

ちょうど30歳離れていて、監督が40歳の時の作品。
自分はあと12年後、こんな作品が撮れるだろうか。

「スピードレーサー」

もう大好き!
前半の子供時代の一目惚れシーンや、最後の自問自答のシーンや、最高すぎる。

「マトリックス」後、ややこしい話は撮ったし単純明快なやつやるぜ!ってぶっ飛びすぎてて怖い。
最後のシーンは本当に泣ける。

2014年11月21日金曜日

「セデック・バレ 第二部 虹の橋」

すっかり騙されるとこだったわ。
第二部は観ているうちにどんどん「パール・ハーバー」とか「永遠の0」みたいに、馬鹿なエンタメ映画になってしまった…。

第一部の因果関係があって一致団結して作戦練って日本人がいい具合に悪役で…というくだりがとても面白かったのに、第二部は自己顕示欲を満足させるためだけにあるような展開。
第一部と第二部の事実考証(一瞬ググっただけ)したら、第二部は大幅にもられているみたいだった。
たぶんそれが映画の質に関わってしまったのかと。

ビビアン・スー出てたのね。
全然気付かなかった…。

第一部、第二部一貫して言えるのは、男の足に萌える映画。

「セデック・バレ 第一部 太陽旗」

やっと観た。
台湾史上一番金かけてるとの本作。
めちゃくちゃ面白かった!
首狩り族vs日本人!
日本に駐屯された首狩り族がぶち切れて民族一揆する話。

動物のCG以外クオリティ高すぎる。
おっさんかっこ良すぎる。

討ち入りシーンは凄い。
首がぽんぽん飛んで女子供も関係ない!
子供が子供を殺す!
木村祐一の「おれだって武士の末裔なんじゃい!」という台詞にめちゃくちゃ笑った。

「死んだら神社に祭られるか、虹の橋を渡って祖先に会いに行くか」という台詞から、結局は理解し合えなかった信念同士の衝突なんだと。
人間って本当に心狭い。

史実はあんなに被害出てないらしい。
でもいんです映画だから!
第二部が楽しみ。

2014年11月19日水曜日

「サイレント・ランニング」

聞いた事あるのかな?くらいの映画だったけど、とてもいい映画だった。
巷じゃそこそこ知られたSFらしい。
「2001年宇宙の旅」の特殊効果の人が監督。

完全に主人公は狂人だったけど、善を奇麗事で済まさないカルト映画、という見方をすれば納得。
最後のシーンはとても風情溢れる素晴らしいエンディングだった。

ドローンまじ可愛い。

「オズの魔法使い」

劇団四季の「ウィキッド」を見て、いても立ってもいられなくて鑑賞。
この物語の裏であんなことやこんなことが起きていたなんて…。

大学以来の鑑賞だと思うが、改めて観ると本当にトリップ映画なんだなと。
子供の国の異世界感やばい。

「ウィーキーっ!!」

2014年11月15日土曜日

「ニンフォマニアック Vol.2」

劇場:新宿武蔵野館

続けて鑑賞したので、2のほうが印象に残っている。
1に比べてかなり濃かった印象でもある。

SMのくだりはとても面白かったし、そしてあのシーン…。
「私を泣かせてください」が流れ、窓の外には雪…、お母ちゃんが性欲を満たしている最中、子供がベランダに…。
もう鳥肌立ちまくり、叫ぼうと思ったけど隣の女性に引かれないために叫ばなかった。
そして子供が助かった時は、映画表現の可能性を改めて感じた。
違う結末を描くなんて卑怯!

テーマ的にもかなり「アンチクライスト」と似ていたんじゃないだろうか。
これはVol.1だったかもしれないけど、少女時代に見た幻覚とかすごい寓話的で面白かった。

それにしてもラスト、あの終わり方は過去作と比べてかなり作風変わったのかと。
まるでジョン・ウォーターズ映画を見ているのかと思った。
とても下品にオチをつけたらこうなんだろうな…、と思っていたら正にそうなって笑った。
ラース・フォン・トリアーの映画愛に溢れた大傑作!

「ニンフォマニアック Vol.1」

劇場:新宿武蔵野館

このポスターを見たときひどく感動した。
登場人物全員色情症かと思ったら、シャルロットだけだったのね。

多分、この話を面白くするためにラース・フォン・トリアーは様々なアイディアをぶち込んだのでしょう。
章の始まり方や語り口がいろんなヴァリエーションに富んでいてとても楽しかった。

ユマ・サーマンのシーンはまるで「恋の罪」のばばあとの対決シーンのようでめっちゃ笑った。
キューブリックの「本人たちは真面目でもそこに第三者から見る笑いがある」(こんな感じ)の言葉を思い出した。

1は完全に2への序章、というイメージ。
そして深淵の後半へ続く…。

「オールニードイズキル」

劇場で観れなかった作品。

原作読んでないからわからんけど、完全にゲームだった。
ゲームの世界に入り込んじゃった男の話。
映画を見ているというよりも、映画のムービーを見ている感覚に近かった。
もうばすばす死ぬ。
編集遊びまくってる。

最初の飛行機からの降下(落下?)シーンはプロジェクターで見てたので手に汗握った。
凄いワンカットだった。

設定とかは結局ちゃんとは理解できなかたけど、戦闘シーンかっこよかったのでいい。
それにしてもトム・クルーズは当たり映画多いなぁ。

2014年11月11日火曜日

「デスレース2000」

大学以来だろうか、二度目の鑑賞。
唐突に始まり、少しずつ世界観が見えて…くるのか?
どうなんだろう…。

でもまあそういうのはいらない映画なんでしょう。
美女の裸と疾走するスーパーカーと踏み砕かれる顔面があれいい!
たぶん!

2014年11月9日日曜日

「イップマン 葉問」

円卓の決闘はわくわくする。
最後の対ボクシングもいいんだけど、拳法とボクシングが構え合っているとなぜか笑ってしまう。
サモ・ハン・キンポーに痺れる。

この演出だとチャウ・シンチーならああいう展開に…といろいろ想像させてくれるいい映画。
「最終章」あるのか。
観たいな。

「イップマン 序章」

寝れなくなる映画、と思い、二度目の鑑賞。
相変わらずアガる映画だが、葉問のほうが面白い。

無双の爽快アクション映画なんだけど、どうしてもこの内容だとプロパガンダにしか思えない。
二作とも。

「レスラー」

ダーレン先生で唯一(初期を除く)観れていなかった映画。
これもスーパー16なのだろうか。
画面のざらつきがとても心地よかった。

それまでの映画の複雑さは全くなく、とてもとてもシンプルなストーリー。
もともとのプロットは「レスラー」と「ブラック・スワン」を合わせて一本にしていたらしいので(確か)「ブラック・スワン」の要素を抜いたらこうなったのだろう。

娘にも捨てられ、頼ったストリッパーにも捨てられ、でもおれにはこれしかねぇんだと戦う姿が最高。
でもあのラストカットの続きは想像したくもない。
これと「ファンテン 永遠に続く愛」を足したら、「ノア 約束の船」になるのか。
合点。

「シャッターアイランド」

映写やってたときに飛ばし飛ばし観ていたのだけど、初めてちゃんと観た。
何が現実で何が妄想か最後まではっきりと描かれなかった。
ただおおよその解釈は出来る範囲でヒントがちりばめられていた。
こういうミステリーをもっといっぱい観たい。

「鑑定士と顔のない依頼人」しかり、巨匠の撮るミステリーはてとも面白い。
しかもこの映画に関して言えば、とても絵作りにこだわっていて、ワンカットワンカットが美しい。

燃える紙?が降っている中、血を流す奥さんとの包容はとても素晴らしかった。

「永遠に美しく」

昔テレビでやっていたのをビデオに録画して、何度も観ていた覚えがある。

ゴールディ・ホーンはやっぱりエロいなぁ。
監督はロバート・ゼメキスだったのか。
特殊美術凄い。

「ペネロピ」

いつぶりだろう…。
クリスティーナ・リッチにはまっていたころ以来、二度目の鑑賞。

豚の鼻を持って生まれてしまった女の子の物語。

記憶通り、あんまり入り込めなかった。
美術は可愛いんだけど。

「鑑定士と顔のない依頼人」

なんとかパラダイスとかいうくだらない映画を撮った監督の新作。
でも「マレーナ」は傑作。

「ゴーストライター」のような、巨匠が晩年に撮った洒落てて余裕の見えるサスペンス。
後だし感があるけど、結構楽しめた。
「狂ったバカンス」「狂った果実」に通づる、おっさんが美少女に身ぐるみ剥がされていく様を巧みに描いていた。
書いてて思ったけど、次こういう映画を撮る時は「狂った…」にしよう。

現代に当てはめると、二次元の美少女に恋したオタクが初めて三次元に恋をし、でもやっぱ相手にされる訳もなく…と言ったストーリーで、観ている最中ずっと「エンジェルウォーズ」を思い出していた。

おっさんになってまでこんなに振り回されるんだから、若い女は有限なその武器を今めいいっぱい使うしかないと思うの。

2014年11月7日金曜日

「私の中のあなた」

こりゃあかん…。
見終わって、まだ立ち直れそうにない…。
ラース・フォン・トリアーに並ぶ鬱映画。
感動じゃない、鬱。

白血病の姉と、ドナー提供のために体外受精で生まされた妹。
突然11歳の妹が、私はドナーを提供しないと弁護士をつけ…。

ストーリーはすごく面白くて良く出来てるんだけど、もう出てくる人みんな病気。
姉は白血病、妹は姉のためにいろいろ引っこ抜かれてるし、お母さんは必死すぎていかれてるし、お兄ちゃんは夜な夜ななんかしてるし、弁護士癲癇だし、唯一まともなのはお父さんくらいだろうか…。

でいろいろあるんだけど、最後見事に姉が昇天して、はい美談、って泣けるか!鬱だわ!いい加減にしろ!

「ブリングリング」

意外と楽しみにしてしまっていたソフィア・コッポラの新作。
賛否聞くけど、あんまり否に成り得る部分を見つけられなかった。
けっこう良く出来た映画だと思うんだけど…。

ハーマイオニーがめっちゃ奇麗で、なんか少女と女の中間の艶やかさを見事に演じていた。
簡単に言うとエロかった。

最後に少年が言った言葉が全てを物語っている。
「アメリカ人って…ボニーとクライドみたいなの好きだろ?」

「ニード・フォー・スピード」

そういやこのゲーム昔友達に借りてやってたなと思い出し鑑賞。

あんま有名じゃない人ばっかだし、無駄に格好つけた演出が多いんだけど、シナリオがお手本通りな感じでそれなりに楽しめた。

ただ台詞はちょっと酷かった。
いっぱいお約束な事を言うんだけど、なんかハマってない。

でも多分予算ない中で必死に格好よく見えるように作ったのでしょう。
「ワイルド・スピード」と比べると低予算なんだろうな…。

最後のレース、他の車全部ぶっ壊れて総取りできへんやん!って思った。
主人公の目的がそうじゃないにしても…。

「ウルヴァリン SAMURAI」

真田さんが悪役!イケメン!抱いて!
そして赤毛の女がただただ不細工だった。

「ジンジャーの朝」と同じく、核爆弾が投下のシーンから始まる映画。
新幹線のシーンは大画面で観たかった!

そこそこ面白かった。

2014年11月3日月曜日

「LIFE!」

こりゃとんでもない傑作だわ。
ベン・スティラー凄すぎるだろ。

全編に「人生とは」の答えのヒントがちりばめられているんだけど、あくまでも説教臭くならないよう上手い具合いにエンタメとして作り込まれている。
劇場で観ていたら…もしかしていたかもしれない。

デヴィッド・ボウイの曲が流れるところなんてもう高揚感で月まで飛んで行きそうだった。

「本当に美しいものは人目を嫌う」
オリジナルも観たい。

「ウォルト・ディズニーの約束」

何気無しに観たら結構楽しめた。
ディズニーとメアリー・ポピンズの作者のあれやこれや。
「ゲンスブールと女たち」、「マリリン 七日間の恋」のような、どこまで本当だかわかんないけど何となくその人を知れるような映画。

ミッキーを見る度に世紀末のような表情をする主人公が新鮮だった。

2014年10月31日金曜日

「ジャンゴ 繋がれざる者」

ジャンゴ〜!!
数回観ると後半がつらい。
長い。

でもデカプリオ最高!
おのじじい最高!

「ジンジャーの朝 さよなら私が愛した世界」

とてもいい…映画なのか?
静かな演出、でもちゃんと布石を丁寧に描きつつ、心地よい雰囲気だった。
ただやはりとても傲慢な人々に毎度の事ながらいらいらさせられた。
悪意があるとしか思えん。

最後の「愛していた」というのはなんかよかった。
この話だからこそ。
青春の一ページ。

2014年10月16日木曜日

「ぼんとリンちゃん」

劇場:シネマカリテ

「ももいろそらを」の監督の最新作。
まさかもう観れるとは思わなかった。
一度このポスター見て「ぜってー観ねー」と思っていたら、小林監督だったので速攻観た。
巷はそれを現金なやつと呼ぶらしい。
知らんけど。

「ももいろそらを」はかずみのイン前に観なかった事を後悔するくらい今の自分のバイブルなのですが、この映画もまた同じ手法で撮られていたので安心。
作り込まれた演出とカメラワーク、心地よい世界観、それらは全て映画への(そして少女への)愛に繋がって行く。
個人的には違うテーマでの新作を心待ちにしている。

正直中盤辺りで集中力を失ってしまったのですが、そこはDVDを買って補いたいと思います。

終映後、監督に「ファンです!」って言っちゃった。
そしてこの独特の絵作りについて少し質問したんだけど、シフトレンズや後処理はしてないらしい。
単玉ってことなのかな。
カメラ聞けば良かった。
そして監督に私を使ってアピールしに行く女子たちには若干引いた。

2014年10月15日水曜日

「スーサイド・ショップ」

すっかり騙されちまったぜ…。
「ヴェルヴィル・ランデブー」の監督と思ってたら全然違うじゃねーか…。
「髪結いの亭主」と「歓楽通り」は観たいな、と思いつつ観ていなかったのでもう観ないことにする。

2014年10月12日日曜日

「白ゆき姫殺人事件」

思ったより普通だった。
どうしても「告白」と比べてしまう。

2014年9月16日火曜日

「ガフールの伝説」

面白かった!
さすがシュナイダー。
演出がくどい!

「キャッツ&ドッグス」

めっちゃ面白かった。

2014年9月10日水曜日

「TOKYO TRIBE」

劇場:バルト9

恐らく初めて、劇場で園子音映画をつまらなく感じてしまった。
多分着いて行けなかったのだと思う。
カット割りとかシナリオがいつもより適当な気がした。

でもひたすらHIPHOPバトルが続く感じはかっこよかった。
オープニングのワンカット撮りは圧倒。
あと竹内力の顔芸がやばい。
あと一番素晴らしかったのは、美香様がおっぱい揉みしだかれて、ちょっと演技どころじゃなくなって「あら…ちょっとこれ…聞いてませんわ…やりすぎじゃなくて…?」みたいな雰囲気を出してて感動した。
あのシーンのためにDVD買いたい。

なんにせよやってる事は凄すぎる映画です。
面白くはないけど。

追記:
またパンチラだった。
押井守の「アサルトガールズ」における食事シーンの苛立を彷彿とさせる、とてもつまらないシーンだった。
と、私個人は思いましたとさ。

「ルーシー」

劇場:バルト9

愛すことのできない馬鹿映画。
ベッソンは神になりたかったんやな。
いい加減にしろっ!

2014年8月23日土曜日

「アメリカン・ヒストリーX」

エドワード・ノートンにはまっていたのが中・高のときなので、下手すると十五年ほど見なきゃ見なきゃと思いつつ見ていなかった作品。
十数年の想いは裏切られなかった!
やっぱかっこいいよエドワード。

なんか最近はゆるいコメディ映画ばっか撮ったり出たりしてるイメージしか無いけど、この頃はやっぱりキレッキレでした。
逮捕される直前の弟を見つめる眼差しに戦慄を覚えた。

弟役、エドワード・ファーロングっぽいと思ってたら本人だった。
美少年過ぎるだろ。


2014年8月19日火曜日

「船を編む」

マジメって面白い!!
こりゃ…大傑作や…。
これが日本アカデミー賞を取ったのが許せないくらい面白かった。

まじめとかぐやのようなカップルを目指す!!

2014年8月18日月曜日

「ワールド・ウォーZ」

ゾンビ映画。
結局また、なぜ自分がゾンビ映画を面白く感じられないのかを考える二時間だった。

2014年8月14日木曜日

「タイピスト」

普通に面白かったんだけど、最後の最後でフランス人のプライドの高さを見せつけられ萎えた。
残念。

「コクリコ坂から」

無性に見たくなって。
とてもいい映画だと思う。

2014年8月9日土曜日

「エスケープ・フロム・トゥモロー」

劇場:TOHOシネマズ日劇

話題のディズニーゲリラムービー。
思っていた内容と違ったけど、ワンシーンワンシーン小ネタを仕込んでおり、飽きる事無く観れた。
ただストーリーはあんまよくわかんなかった。

恐らくこれは、大の大人が飲み屋で「ディズニーで都市伝説とか下ネタとか殺人とかタブーな事全部やったらおもしろくね?」的発想で産まれた作品。
悪のりをこの規模で作りこんだけ配給させてんだから凄い。

音楽と、最後の最後でディズニーに対して一言申すシーンがあって良かった。
ウォルトとヒトラーの類似性の話をたまに聞くのですが、その考え方への理解が一歩深まった。

なんにせよウォルト・ディスニーと沼正三は私の中で二大天才作家でございます。
好きなのは後者だけど。

2014年8月2日土曜日

「GODZILLA」

劇場:バルト9

待ちに待ったゴゼィラァー!!

これ作った人たち、いっぱいゴジラ…とガメラ見たんだろうな…。
シナリオが、展開が、演出が、ゴジラ…とガメラへのリスペクトでいっぱい…。

あのゴゼィラァー!が登場するシーンは口あんぐり上げてめっちゃ幸せな顔してた思う。
そしてそれまでの怒濤のくだりも、見せすぎず、モキュメント感もあり、迫力がエグかった。

前半、ハリウッドにしては安っぽいCGで、あ、そういうオマージュで来たのね、と思ったら違いました。
多分予算を後半につぎ込むために、あえて前半はある程度予算を抑えたんでしょう。

オープニングの曲(テーマソング?)があれ多分ゴジラのテーマと同じ拍子で作られてたし、後半の戦いの世紀末感とか、そこにかぶさる2001に使われてたような声だけの曲とか、怪獣の生首を掴んで勝ち誇る姿とか、もう最高。

ゴゼィラァー!!
もっかい行く!!

「どうしても触れたくない」

劇場:イメージフォーラム

最終日なのに一時間前に行って立ち見(パイプ椅子)。
戻ってくるとそこに群がる女、女、女。
いや、来た自分が悪いんですが。

映画はとてもとても丁寧な作りだった。
後半ちょっとついていけなくなるところもあったけど、BL初心者の私にもなんつーか、BLの見方がちゃんとわかった。

横のお姉さん中盤からずっと泣いてた。
おれも泣き所わかんなくて泣いてた。

煙草の火に映る火事の表現は素晴らしい!

2014年7月24日木曜日

「NINE」

ロブ・マーシャルの新作といえば聞こえはいいけど、「8 1/2」のリメイクといえば聞こえは悪い。
でも期待しちゃうのが映画好きの性。

で、リメイクと知った瞬間すぐ見た。
なぜか聞こえが悪い方を知った瞬間すぐ見た。
そしてロブ・マーシャルが嫌いになった。

なぜルイザがマリオン・コティヤールなのか。
なぜカルラがペネロペなのか。
なぜクラウディアがニコール・キッドマンなのか。

そしてなんなのあのラスト。
怒りで歯が抜けたわ。

そもそもフェリーニの私的な映画を他の監督がふえ〜って撮っちゃうのがありえない!
「道」でもリメイクして「あの星がなんとかかんとか〜」とかやって金儲けしてりゃいいのに。
どうしてよりにもよってこの映画なんだ。
ブロードウェイのほうは未見なので何も言えませんが。

とりあえずロブ・マーシャル映画は二度と見ない。