2015年7月22日水曜日

「ドグラ・マグラ」

今年、記念すべき100本目。

遂に、遂に、遂に観れる日が来ました。
大学の時DVDを買い損ねて激しく後悔してから約十年、毎日のように「なぜあの時買っておかなかったのだ」と自分を責め続け、そんな自責の念をやっと、やっと、やっと拭い去れる時が来ました。
まあ一万五千くらい払えば観れないことはなかったのですが。
レンタル屋にVHSはずっとあったし。

というわけで、ビデオデッキをお借りして、正しく今さっき、見終わったわけでございます。

これがあの難解な推理小説の流れか…。
これが噂の桂枝雀さんか…。
これが松本俊夫監督の映画か…。
冒頭の詩の真相はここへつながり、つまりは…どういうことだ?
などと、様々な思いが駆け巡り、しかし一度では味わいきれるはずもなく、只々この心地よい時間に溺れていたわけでございます。

素晴らしかった!
あの本をここまで万人の理解の範囲に落とし込み、小気味の良いエンタメとして仕上げただけで松本監督の表現というものへの愛が伺える。
それ以降撮ってないみたいだし。
このレベルの日本映画がもっと増えますように。

なににせよ、この長い長い年月の期待に応え、それ以上のものがそこにあったということだけで涙がでそうでございます。
ああ良かった。

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