大学の時、何かの授業で観てとても印象に残っていた作品。
おそらく初めて観たフェリーニ作品。
その時教授が何の意図で、何を伝えたかったのか今となっては全く覚えていないけど、今観終わって少しこの映画について調べたら、授業で観せたかった理由もある程度理解できたように思う。
映画の冒頭、遠くで映写機の音が聞こえ、モノクロサイレントで着飾った人々がカメラを物珍しく覗いて行く…あれは正しく「工場の出口」なんでしょう。そしてトーキーになりカラーになり、物語は幕をあける…。
そしてラストは「ホーリー・マウンテン」…よりもっと情緒的に、撮影現場が映し出される。
この映画の構造は、まず「映画への愛」があり、その中に「群像」があり、その中に「時代」があった。
「8 1/2」はまず「映画への愛」があり、その中に「個人」があり、その中に「環境」や「周囲の人々」があったように思う。
そうやって観るととても面白い。
「船」という映画に乗り、制作者たちが旅を続ける映画だとすれば、あのディーバは何なのだろう。
皇女役の人、この人がピナ・バウシュだったのか。
「トーク・トゥ・ハー」にも出ていたらしい。
全く覚えていない。
そしてこの映画、83年だったのか。
冒頭の印象が強かったおかげで初期作品というイメージだった。
ドビュッシーの「月光」が、一段と物悲しく聞こえてしまう映画だった。
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